教育・研究
少子高齢化・それでも伝統を継承 ~ おわら人口の確保が未来への希望 ~
伝統芸能を保存する上で少子高齢化は深刻な問題となっています。当保存会では、若者人口の減少により危惧される伝統芸能後継者難を予測し、2004年に教育研究部を立ち上げ、将来を見据えた「後継者の確保と育成」に関する課題克服に取り組んでいます。
旧来、おわら風の盆行事への子供たちの参加は八尾地区・福島地区在住を条件としていましたが、八尾小学校と中山間地の小学校との統合にともなって、おわら風の盆行事参加の地域枠を拡大し、2004年から今日に至るまで、中山間地区の子供たちにも行事参加を勧めています。
子供たちが「おわら」を愛し、成長した後も次世代、また次の世代へと伝承されていく土壌を教育研究部が主管し、地域ぐるみで今の子供たちを育て、おわら教育に励んでいます。
平成23年5月 行啓で披露
子供の頃から町流しに参加
踊りの中心となる青年に成長
八尾小学生、八尾中学生、八尾高校生に演技指導。演技発表会で練習の成果を!
教育研究部では、一年を通じ八尾小学校、八尾中学校、八尾高校へ演技指導員を派遣し、10年先の成長を考慮した後継者育成に取り組んでいます。また、演技発表会の前には越中八尾観光会館で総合練習・指導を行っています。
子供たちの真剣な練習姿に保護者の方々からも「頑張れ、しっかり」と拍手や声援がおくられます。踊りが揃う迄何度も繰り返し練習し、きちんと踊れるよう指導します。
中学・高校生ともなれば、演技指導部の地方(じかた)の演奏に合わせ、新踊りを納得いくまで練習。
保護者の方々は、子供たちの練習が終わるまで客席で待機です。練習のあい間の声援は続きます。演技指導員に混じって中学生、高校生が指導を受けながら三味線、胡弓の伴奏を合わせてもらいます。
演技指導員の踊り、女子の八尾四季踊りに合わせた伴奏の練習です。演技発表会で練習の成果を発揮できるよう、きちんと弾けるようになる迄には練習あるのみです。
踊りの所作と所作の意味を理解し、心を込め、ていねいに踊ります。踊り手と地方の呼吸を合わせ、緊張の中に「おわら」の真髄があることを練習を通じ理解していきます。