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保存会の目的・事業概要
当会は、昭和4年に発足して以来、江戸時代に始まり今日まで伝えられてきた唄、踊り、三味線、胡弓、太鼓、囃しなど地方(じかた)の総合的な伝統芸能である民謡「越中おわら」の保存と後継者の育成に努めています。
平成17年には法人格を取得し、将来にわたり日本を代表する伝統芸能の継承を目的に次の事業を行っています。
- 民謡「越中おわら」の継承と技量向上のための温習とその支援
- 民謡「越中おわら」の後継者の育成及び派遣に関する事業
- 民謡「越中おわら」の新しい歌詞の募集、選定
- 民謡「越中おわら」に関する資料の収集ならびに歴史等の調査、研究
ごあいさつ
富山市八尾町は、藩政時代に町建が許可されて380有余年となります。町建後70年程を経た元禄時代に里謡おわら節の始まりを見ております。その後幾多の時代に揉まれながら「民謡おわら節」として日本を代表する民謡に育ったことは、この地域の大きな誇りです。
「越中八尾おわら節」は、四季の彩鮮やかな山麓の町の暮らす人々によって、雪国の風土の基、時代に変遷した生活と生業を糧に町民自らが近隣農山村との経済活動の過程で培われ花開いた町人文化であり、民謡としての歌謡には、市井の様々な生活心情を豊かに思い起こさせるものを持っております。
昭和4年、川崎順二初代会長を中心に「おわら保存会」が設立され、令和の時代を迎え90年を迎えました。この間、「おわら保存会」が中央の文人墨客等を招致するなど、町民が新しいものを受け入れ、前向きに練習を重ね、技量に磨きをかけて「おわら」を育んでまいりました。
「越中八尾おわら節」が、今日のように多くの人々の心を惹きつけてやまないのは、連綿と受け継がれてきた町民のおわらを愛する心と音律の哀調、踊りの優艶さ、歌詞が織りなす感情の繊細さにあります。
これからも、私たち「おわら保存会」は、先人たち弛まぬ努力のもと今日があることに感謝し、更なる研鑽を重ね、新しい時代、その先にこの伝統文化を継承してまいります。
令和元年8月
富山県民謡越中八尾おわら保存会
会長 金厚 有豊